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これは私の印象の域を出ないのであるけれど、アイデンティティの形成と心理的離乳は、昔より遅くなっている。
少子化現象に伴い、親と密着する度合いが強く、乳離れが遅れる結果を招いている。 また現代という時代は、定職に就かなくても取りあえず生活はできる。
つまり、アイデンティティの定まらない状態のまま生き続けることができる環境にある。 それが心の適齢期を遅らせる原因のひとつになっている。
若い女性の中には、現在の生活が少しずつ重荷になってきて、そこから逃避したい一心で結婚の道を選ぶ人がいる。 たとえば社会に出て2、3年、ある程度仕事はできるようになってきたが、それだけに責任の重さも増してきたとき。

仕事が全体として把握できるようになると、どうしても今日中にここまではこなさなければいけないということが見えてくる。 結局いっしょに組んでいる新人の遅れを自分が補う形でつじつまを合わせる。
そうやって責任をもってやらなければいけない仕事が増えてくる。 あるいはその逆に、その職場で働いていることにマンネリを感じるようになったとき。
事務職の女性社員が25、6歳になると、組織の網の目の中で有形無形の圧力がかかってくることがある。 人的コストその他の理由から、「若いほうがいい」「まだ結婚しないのか」などと問いかける視線を感じる。
また、親の家にいることが重荷になる場合もある。 親子関係がぎくしゃくする。
両親の仲が悪い。 家に帰っても息苦しいと感じる。
そんなとき、それほど強い気持ちを感じているわけではないがつき合っている人がいると、「結婚でもしようか」と考えてしまう。 適当なところで手を打つわけだから、いわば不純な動機である。
そうして、自分の今おかれた立場から逃げようとする。 親のもとから合法的な家出をする。
似たようなことは男性にもある。 キャリアを重ねるほど仕事はおもしろくなるが、それに伴ってむずかしさも出てくる。
責任も重くなる。 時には大きな労力を費やした割には、報われない結果にがっかりすることもある。


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